2007年9月5日水曜日

学会前はこんな日々

数値計算の速度向上完了。必要な配列要素とか計算回数の数とか考えていかに効率よく計算させるか。とか考えるのが結構重要なことにいまさら気付く。とくに重積分の計算とか入ってる時には、ヘタすると1ポイントの計算に1億回の計算が必要だったりする・・・。doループの罠。細かくサンプリングすりゃー精度上がるやろとか適当にやったら異常に時間かかったりして焦った。改良バージョンがうまく行ったのでちょっと嬉しい。

そして近藤効果のお勉強。
以下チラシの裏的なメモ。今現在私の頭はこんなことで埋まってる状態。

近藤効果は要は局在電子と伝導電子の混成により磁気モーメントが消失するっていう現象が中心なんかねぇ。

混成の早さ(←寿命ってやつか?)がΔ=πρV^2で決まり、しいてはU=0の時のフェルミ面にできる混成準位のピーク幅を決める。Uが大きくなってくると、その準位に電子が入っている時に他の電子が入りづらくなる影響で、電子が入れ替わる速度が遅くなってくる。結果近藤ピークの幅の狭まりを招く。磁気モーメントが消失するという現象もこの電子の入れ替わる早さと観測時間(→温度)の競合によりきまる。電子が入れ替わる速さより早い時間スケールで観測すれば、↑または↓のモーメントを観測することができるだろう。しかしそれより観測する時間スケールが遅ければ、平均値としてモーメントが0という結果しか観測されない。

観測時間と温度の関係というのは不確定性原理に由来するらしい。不確定性原理、思っても見ないところで絡んでくるな。物性は量子論に支配されている。(時間とエネルギーが共役量で温度がエネルギーの指標だからといわれりゃそうだが、なんか気持ち悪いよな。)温度Tの系が持つエネルギーはkbTなので、観測できる最も短いスケールはh/kbTぐらいである。Uが十分でかい状態では電子のいれかわる速度はkbTk(Tkは近藤温度)(→近藤ピークの幅もそのスケールになる)。というわけでTがTkより大なら磁気モーメントが観測され、TがTkより小さければ磁気モーメントが消失する
じゃあ2不純物ならどうなるか考えてみる。2不純物が強磁性的相互作用を持っているときは、スピンの入れ替わりはもう片方のスピンに影響を受ける。とういわけで、必然的に1不純物の時より、速度が落ちるだろう。温度でいうと、近藤温度の低下を招くことになる。ま、結果ピーク幅も狭まるだろう。反強磁性相互作用が十分強ければ、最初から磁気モーメント=0が実現してしまっているので、遮蔽も何もないでしょうと。(ちょっとした反強磁性なら、遮蔽しやすくなって、近藤温度が上がる?いやでもスピンの速度とかいう話になってくると・・・わからん。強磁性のほうが理解しやすいなぁ)

とまぁ、なんとなくな理解はできるんだけどその、速度がどうとかいった話が今やってる摂動展開のどのへんに絡んできてるのかとか考え出したらぐるぐるしてくる。こんがらかってるわぁ。スッキリに到達したいもんだ。

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