2009年5月26日火曜日

多世界解釈

「宇宙を復号する」読み終わった。おもしろかったんだが、著者が多世界解釈持ち上げまくっているのが気になる。エヴァレットの多世界解釈はなんだか考えているとむずむずする概念なので。

量子力学の世界では、とある粒子がいくつかの状態をとりえる場合、それらが重ね合わさった状態をとっている。確率に応じて観測したときにどう見えるかが決まるだけであって観測されるまで粒子自体も自分がどんな状態か分かってない。(粒子がわかるてな言い方は変だけど)そんなわけで、例の半分生きてて半分死んでいるシュレディンガーの猫が出てくるわけなんだが、世の中そんな不気味なことは起こらない。私の場合、寝起きは半分死んでるけどな。なぜかというと、周囲の環境によって常にものは観測されているので(光があたるとか、熱とか)、自分たちが感知できるようなタイムスケールでは普通重ね合わせがおこらないからだ。さてその重ね合わせ→普段感知している古典世界へ、どうやって移行してるのかってのが結構な問題だったりする。なぜAでもありBでもある波動関数が、観測された瞬間AもしくはBのどちらかに決まるのか。ふつう授業とかでは、「波動関数が収縮するのです」と習う。収縮ってぱっと聞き都合がいいけどよく分からない。この「収縮するのです」理論はコペンハーゲン解釈というらしい。

これに真っ向対立するのがエヴァレットというひとが院生のときにぶちたてた多世界解釈。なんと観測された瞬間に、われわれの住んでる宇宙が状態Aをとる宇宙と状態Bをとる宇宙に分裂するらしい。観測って、真空のゆらぎやら光があたることまで考えると、毎秒何億ってレベルじゃない規模で宇宙が分裂していくわけだろ。宇宙すべての原子についてとりうる状態の個数っていくらなんだか。で自分が存在する宇宙はその無限の中の一個で…とか考えると自分がいま生存してなんかやってるってことがすごい危ういというか足元がぐらつく気分になるな。

なので個人的には多世界解釈は嫌いです。無限個の宇宙とかそういうのは物理的じゃないと思うなー。こういう観測問題とかわかりやすく書いた解説書ないかなぁ。

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