2010年1月1日金曜日

2010年開始

あけましておめでとうございます。
もう2010年か。早いもんです。

去年は本当に忙しくて結構限界チックだったので、今年はもうちょっとゆっくりしたいです。周りから聞いてはいたけど、博士の3年ってまじでしんどいですわ。正直病みました。

体調壊したり病んだりした結果、個人の生活を大事にするって重要だなと思いました。ついついもっと結果を、もっと早くとか焦り、常に研究について考えてしまいがちでした。休みの日も家で大学の端末に繋いで仕事したり、家帰ってからも夜中に作業するのがずっと続いていたのでそりゃ病むってもんですな。研究したり知らんことを勉強するのがもともと好きでやってたはずが、いつのまにか「せねばならないこと」になってたり、常に「無駄な時間を過ごしてはいかん」という気分が強くて、ちょっとした用事を頼まれても時間がつぶされたように感じてイライラしたり、楽しくなく日々を過ごすようになったりしてました。博士論文が忙しい以外にも、指導教官が忙しい時期によりによって超しんどい仕事を回してきたり、公聴会前のピリピリしてるときにトンデモなメールを送付してきたり、就職に関して(実家の事情がいろいろあるので)意見をいうと、全否定してきたり、研究室の生活において精神的にこたえることが多かったのもキツかったです。いろんな意味で一生忘れないと思います。

実家がすぐ近所なので晩ごはんを大抵親と一緒に食べてたこと、あとツレが延々と話を聞いてくれたのでなんとか乗り切れたようなもんです。ツレの勧めで専門医に相談したのもよかったかな。それらがなかったら、どっかで心が折れててこのお正月迎えてないでしょう。親とツレには本気で感謝です。

去年一年の経験から、どんだけ仕事を効率よくこなし、結果を残そうとも、体を壊したり、日々の生活が楽しくなければ何の意味もないなと思いました。頑張るのはいいことだけど、苦痛になるレベルでやってはいかんなという教訓を得た気がします。あと、他人の言うことをあまり気にしないようにしようとも思います。参考や反面教師にするのは良いけど、振り回されて無理して倒れるのはあまりにもばかばかしいです。指導教官とか上司にあたる存在は、それらしいこと言うだけ言うけれど、その意見にそって失敗した場合、結果やこっちの人生に責任持ってくれるわけじゃないですし。なので、今年はもうちょっと気楽に、自分や家族の生活を楽しくすることを主体に生きようと思います。さぼらないけど無理しない感じで。

というわけで、今年も皆様よろしくお願いします。
初詣のおみくじは2か所ともに大吉だったので幸先は良さそうです。
幸多い一年となりますように。

2009年11月19日木曜日

パブリックコメントfor文科省

文科省には1200通のパブリックコメントが届いたとか。
きのう出したパブリックコメントを一応アップ。身バレはさすがにアレなので一部伏字。文章もアレだし議論の詰め方も甘い…。書いてて自分は科学技術政策とかほとんど知らないなぁというのがよく分かった。

なんとなく今まで、自分が頑張っていることを外部にアピールすることや、政治的なニオイのする行動にかかわることは、若干気恥かしく、あまりするもんじゃないという意識があった。たぶん同業者のなかにはそういう人も多いんじゃないかと思う。昔、知り合いに「今日はこれとこれと頑張った」というようなことを話すと「頑張ったことはわざわざ人に言うもんじゃない、だまって評価されるのを待つべき」というようなことをいわれたこともあったし。なので口を閉ざし、黙って論文を書いていればそれなりに評価されるだろうと言う風に進んできたらこういうことが起きた。今回も「そんなことは研究者の仕事じゃない」と黙って耐え忍ぶのもありかもしれないけど、あとから「あぁーあのときになにかしておけば…」てのは嫌だから。



文部科学省
中村正春 副大臣殿
後藤 斎 政務官殿

事業番号13 競争的資金(若手研究育成)について意見を送らせていただきます。

私は○○大学○○研究科にて博士課程に在学し、○○○○の研究を行っております○○と申します。民主党政権が目指す科学技術政策「科学技術のフロントランナーを目指して」を拝見し、「モノから人へ」という理念とそれに基づく研究者への資金直接配分や若手への支援等の方針に非常に期待しております。しかし、今回の行政刷新会議の議論を拝聴し、若手研究者育成に対する予算の減額要求に関して強い危機感を覚えました。

特に行政刷新会議にて予算減額が要請された、
1) 日本学術振興会による、特別研究員制度、科学研究費
2) テニュアトラック制度
について意見があります。

私自身、特別研究員に本年度より採用され、その研究費によって数編の論文を出版し、国内外の学会に参加し発表を行ってきました。研究費を税金から頂いている以上、科学技術の発展に寄与せねばならないと日々真摯に研究を行っております。その研究費や月々の奨励費に関する「生活保護のようである」とのコメントや、博士取得者について「社会的に需要がないのに供給過多になっている」というワークグループ委員の発言は大変残念に思います。

日本の研究機関において、博士課程学生・ポストドクターといった私たち20代~30代の若手研究者の寄与は非常に大きいです。名称上、博士課程学生は単なる学生、ポストドクターは卒業後進路が決まらず研究室に残っている存在のように思われがちですが、実際は自ら研究テーマを設定し遂行する自立した研究者として活動しています。ですが、研究費とポストに恵まれておらず、非常に不安定な立場に苦しみつつ研究活動を行っています。

研究費に関して申し上げれば、特別研究員制度は博士課程学生が申請できる唯一の公募研究費であり、科学研究費のなかの若手研究はポストドクターが採択される可能性がある数少ない種別の科学研究費です。この2つの科学研究費を減らすことは、若手研究者の海外流出や自由な発想に基づくイノベーション創出の機会を奪うことにつながります。

またポストに関しては、常勤教員採用数が博士取得者数に比べて明らかに少ない現状では、テニュアトラック制度が最も現実的な制度だと考えます。大学における37歳以下の若手教員比率が年々減少している(平成19年度では21.3パーセント)現状を見ましても、テニュアトラック制度のように若手を積極的に採用する仕組みを整備・維持することが必要です。博士取得者がキャリアパスとしてアカデミックのみを追求することが慢性的なポスト不足を招いているかのような委員の指摘もございましたが、周囲の博士学生は企業への就職にも意欲的です。ですが、博士卒学生に関して「狭い専門領域ばかりを勉強している」、「コミュニケーション能力を欠くのでは」等の偏見を持っている人事担当者が多いため、企業は博士学生をあまり採用しない傾向があります。企業の40パーセント以上が博士課程卒の学生を、60パーセント以上がポストドクターを、そもそも採用する予定がないのが現状です。また日本企業の新卒最重視の姿勢が中途採用として扱われることの多い博士取得者とりわけポストドクターの民間企業就職を困難にしています。博士課程卒業後の民間企業へのキャリアパス形成、それに向けた博士課程在学中に企業が求める能力を備えることができるような大学カリキュラムの改革などは今後必要でしょうし、現場の学生としても望むところであります。しかし、この不況下では、テニュアトラック制度を縮小したからといって、民間企業への就職者数が増えるとは考えづらく、単なる若手研究者の切り捨てとなるでしょう。

科学研究費制度・大学制度に数々の旧弊があることは事実です。しかし、代替制度を運用する前に若手研究者育成関連の予算を削減することは、研究者の人材喪失につながります。知識・技術の引き継ぎが重要となる科学分野において1世代の人材を欠くことは、今後長きにわたり悪影響を及ぼすことでしょう。

また、民主党政権の掲げるCO2 25%削減等の実現におきましても、科学技術力の更なる増進とそれを担う若手人材育成は必須であると考えます。予算に限りがあること、削減が必要であることは理解しておりますが、とくに若手研究者人材育成に関連する予算は保守していただくよう切にお願いする次第であります。

2009年11月18日水曜日

事業仕分けの結果(科学技術関連)に対して思うこと

ここ2~3日、研究室では科学技術関連の事業仕分けの話題でもちきり。新聞では主にスパコンであるとか、GXロケットの話題がメインですけど研究室での話題は若手育成関連の予算削減。だって切実なんですもの。

私たち博士課程の学生が唯一申請できる公的な研究費は日本学術振興会というところが取り仕切っている「特別研究員」。この制度は、審査を経て採用された博士課程の学生に月々20万(税込)の奨励費と、年間上限を150万とした科学研究費(最近、理論系だと大体50~80万?)が支給されるというものです。博士課程の学生は身分でこそ学生ですが、自分で学会発表を行い、論文を書き投稿するなど自立した研究者としての働きを求められます。支給される科学研究費は主に学会への出張旅費や論文投稿料、必要な器材を買うことに費やされます。実験に比べてかかるお金が少ない理論系ですら国際会議に参加すると一回で30万、計算機として使うためのパソコンが1台40万以上(メモリ12Gまで増設とか数値計算用にいろいろカスタマイズするから)、論文一本投稿すると2万とか普通にかかるので、埋蔵金とか作りようがありません。ちなみに審査は結構キビシいです。審査委員会が開かれて、大勢の委員の採点の上で採否が決まるので(噂はいろいろあれど)公平な方だと思います。決して事業仕分け会議で委員の方がおっしゃったような「ドクターの生活保護」のような制度ではありません。

さてこの特別研究員の予算も削減される方向で議論されているようです。さらには任期付正職員として若手研究者を採用する制度(テニュアトラック制度)の予算も縮減するそうです。若手研究者育成関連の予算を切って、今後の科学技術政策をどういった方向に持って行くつもりなんでしょう?

応用的、すぐに実用につながるような研究内容であれば、仕分け会議の委員が言うように、企業から直接必要十分なだけ資金をいただくことも可能でしょう。しかし、そうではない基礎的な研究についてはある程度、政府が支援する必要があるかと思います。基礎研究に携わる若手研究者を支援することが、国民の生活向上にどう反映されるかは非常に見えづらいとは思います。しかし、基礎研究というのは種のようなもので、数十年後に幅広く応用され花開く可能性を秘めています。新薬の開発や高性能デバイスも、数十年前の基礎研究が基となっています。また、最近では企業がコストダウンのため、基礎研究を大学に委託することも多く、得られた成果や特許が企業の製品を通じ国民へ還元されています。そうした研究活動に大きく寄与し、下支えしている博士課程学生、ポストドクターへの予算を削ることは、日本の科学技術力全体を下げることになりかねません

Web上では危機意識を持った方々が動き始めています
Twitterハッシュタグ#f_o_s
http://twitter.com/#search?q=%23f_o_s

科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名
http://www.shomei.tv/project-1343.html

大隅典子先生のブログ
http://nosumi.exblog.jp/10452121/#10452121_1

仕分けまとめwiki
http://mercury.dbcls.jp/w/index.php?%BB%B2%B9%CD%BB%F1%CE%C1%A5%EA%A5%F3%A5%AF#bccc7185

じゃあ私たち学生でもできることは何でしょう?
sivadさんのブログならびに科学政策ニュースクリップにて研究者ができるロビイング活動についてまとめられております。
http://d.hatena.ne.jp/sivad/20090903/p1
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20091115/p1

また文部科学省はパブリックコメントを募集しています
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm


パブリックコメントを投稿された方がブログにアップされておられます
http://d.hatena.ne.jp/roadman2005/

これを参考にさせてもらいつつ、私も本当に稚拙な文章ながらパブリックコメントを作成し、文科省に送信しました。民主党本部の意見コーナーにも送りました。

「メール送ったところでなにか変わるんかいな」とは思わないでもありません。でも黙っていては変わる可能性は0です。短くても、文章構成が微妙でもメールを送り意見を言った方が言わないよりは断然いいと思います。

2009年10月31日土曜日

鹿と学会と宝物

気がつけば10月も終わり。今月はハイパー忙しかった。なぜならば科研費申請書シーズンですから。なんで学生なのに助教とかのポスト付きじゃねーと申請できない科研費で忙しくなるかは察してください。(下請けってやつですね)博士論文かかなあかんD3に計16ページの空白を埋めないといけない科研費のしごとふるとか某研究室はブラックにもほどがありますね


しかも国際会議があったりしました。場所は奈良です。おもいっきり台風来てる日にかぶってました。会場に行くと、能楽堂で講演していてかなりびっくりしました。松が描かれた金屏風を背景に光電子分光の結果を解説とかかなりシュールです。そしてコーヒーブレイクのおやつが毎回ゴージャスという。

で、会場でひろったのか、風邪こじらせてまたしばらく寝込みました。9月に引き続き毎月寝込んでますな。

最近、忙しい中でもわりと遊びにく時間はキープするように心がけてます。気分転換しないとマジで病みます。今月は水都大阪のフィナーレと、正倉院展に行ってきました。


ラッキードラゴンが火を吹いているのが見れて満足です。
正倉院展は相変わらずスゴかったです。今年はやっぱり琵琶かなぁ。伎楽?の面とかユニークなものもありました。帰りに興福寺の阿修羅像も見てきました。

というわけで今月は奈良行きまくりでした。最近奈良のガイドもよく出てるし、店も増えてるっぽいし、奈良いい感じです。近所なんだからもっとちょくちょく行きたいなぁ

2009年9月29日火曜日

熊本行き

世の中は先週シルバーウィークとやらで賑やかだったようですが、私は高熱を出した上におなかを壊し、連休をベットで死んだように寝て過ごしました。しかも連休明けから熊本で学会でした。ここのところポスター発表で2時間たっているのがしんどいなぁという理由で口頭発表を選ぶことが多く、今回も口頭にしてたので、風邪ひいていよーがなんとかしていかなくては、ってことで急遽、一日遅れていくことにしました。飛行機を格安でとっていたので変更がきかないし、直前にとると高いので電車でGoです。向こうで「電車で大阪から来た」周りに言うと唖然とされましたが4時間半でつきました。しかもJR西日本のひかりレイルスターは超快適なのでゆうほど大変じゃないなぁと。まぁかなり暇ですが。通学で電車に乗りなれている身なので電車にのってぼんやりするのは結構すきです。特急リレーつばめにも乗れて満足なり。

病み上がりでふらふらしながら発表もお仕事も終わり、2日目にはがっつり名産馬刺しを食べてました。高級馬専門店「菅乃家」でランチ食べました。まじウマーー。馬刺しって高級店で食べるとこんなにもうまいんだなと。石焼セットにして焼いた肉も食べたんですが、焼いたのと刺身で味が違うのにも驚き。とりあえず熊本いったら菅乃家いっとくべきっす。

学会いったらがっつり観光する主義なのですが、今回は病み上がりなのでセーブして熊本城と水前寺公園だけ行きました。熊本城は結構見ごたえありました。なぞのキャラ加藤清正君と忍者とかもいて面白いです。


2009年9月12日土曜日

あひる@水都大阪

今、大阪中之島では水都大阪なるイベントを行っているらしい。
そのイベントがあることは、例の府知事と市長の顔が水面から出てくるポスターで知っていたが、中身がどんなものかは知らなかった。
が、一昨日、某巨大掲示板で水都大阪のイベントの一環で巨大なアヒルのオブジェが川に浮かんでいるのを知って、猛烈に見たくなった。巨大なアヒルが堂島川に浮かんでるとか銀河ヒッチハイクガイドなシュールさだ。シュールなもの好きとしては見なければ。

水都大阪の会場にはアヒル以外にもいろいろ前衛的オブジェがあった。結構会場が広いので一気に見るのは無理そうなので、一番気になったラッキードラゴンを見に行く。

私が見た時はおとなしくしてたが、これ巡航したり火を噴いたりするらしい。
http://www.yanobe.com/LD_info
すごい見たいなー。いけそうなのは10月12日かぁ、覚えとこ。
で、お目当てのアヒルちゃん。




でかいwww
やっぱでかいわ。なんか満足しました。
このあひるちゃんは大阪以外の都市でこれまでにも浮かべられてきて、国境の無意味さを訴えているそうです。以外に意味深なメッセージが含まれているのだなぁ。
http://www.namura.cc/ahiru/concept.html
なんにせよ、この光景は気に入ったので、近場だしあと何回か見に行こうかなぁと思ってたり。大阪に期間中来るなら話のネタに見てみることをお勧めします。

夏休み(貴船)

ちょい前の話になりますが、8月末に避暑も兼ねて貴船に母と行ってきた。
京阪が鞍馬・貴船1dayチケットというのも出しているので、それを利用。
母は体力がある方なので、鞍馬から山を越えて貴船に向かうルートにてガチで鞍馬・貴船周遊。
学部生のころにも貴船に流しそうめんを食べるべく、同じルートで行ったことがある。その時は観光地だし~とか舐めてて、サンダルで行ったら本気の登山道で涙目になった。鞍馬の山ルートはかなりきついっす。


この山を越えると、貴船。涼しい清流の上の川床はマジ天国。


アユの塩焼きウマー。
市内で食べるのと違ってはらわたのえぐみがなく、ほろにがいって感じで美味しいです。
いやー貴船いいですな。紅葉もいいらしいので、秋にも行ってみたいです